国語を究めてみませんか⑦

2025年4月30日

 またまた誠にご無沙汰しております。Zukkiです。

 「本業が〜」などと言い訳をする暇があったら、語彙力をどうつけていくのかというお話を進めた方が良いでしょうから早速前回の続きにいきたいと思います。

 語彙力をつける学習というと、漢字や知識分野の学習が一般的ですが、実はそれ以外にも語彙力を養うことができる学習は存在します。ですから、まず皆さんが今日からできる語彙力の学習にはどのようなものがあるかを先にまとめてしまいましょう。人によって多少の違いはありますが、中学受験で語彙力を養うのに大切な学習には以下の三つがあると考えてください。

  • 純粋に漢字や語句の知識についてテキストや問題集などを用いて学ぶ。
  • 文章を精読している際に意味がよく分からなかった語句などを調べる。
  • 日常生活の中で出会った未知の言葉を調べて自分のものにする。

 この三つがうまく噛み合って日々の学習サイクルとして定着することが理想ですが、国語の学習は長い期間継続することによって効果を発揮する性質が他の科目よりも非常に強いので、欲張りすぎて続かなくなってしまうと本末転倒です。

 一般に中学受験で要求される語彙力は、実年齢よりも二、三歳上のレベルのものです(学校の教科書であれば六年生で中学二年から三年のものをスムーズに読んで理解出来るレベル、と考えていいでしょう。最難関中と呼ばれる学校であればそのレベルは更に上がります)から、小学生にとっては日常であまり馴染みのない(友達同士の会話で使いそうもない)言葉がその多くを占める訳で、「外国語を学ぶ」のと実は殆ど変わりません。むしろ「同じ日本語だから分かるはずだ」という思い込みが国語という教科における上達の妨げになっていると言えるほどです。ですから少なくとも語彙力をつけるための学習は、英語の学習と同様に毎日休まず一定時間集中して行うことがとても重要になります。日によってやったりやらなかったりでは効果は望みにくいと考えてください。ですから、はじめは「あれもこれも」と欲張らずに、「自分はこれ」と的を絞り、「これ」と決めた学習を早く軌道に乗せることを最優先しましょう。

 では、三つのうちどれを最初に軌道に乗せたらいいかが気になりますね。大変わかりやすいですから、安心してください。先程挙げた順番通りで大丈夫です。自分の通っている塾のテキストなどで構いませんので、その中の漢字や言葉の知識に関する部分や、それ用に作られた冊子を用いた学習から軌道に乗せていきましょう。

 「いや、それは一応やっているんです。やっているのに国語が得意にならないので困っているんです」と言いたくなる人が多いかと思います。そう、そこに最大の問題があるのです。「やっていない」人は、ピアノのレッスンで言えば家で全く練習をしていないのと同じですから、できなくて当然です。逆にそういう人はともかくも「やる」ことで現状よりは前進できるでしょう。問題なのは「やっているはずなのに上達している実感がない」という状態の方で、こちらは現状を見つめ直して改善を図らないと貴重な時間と労力がどこにもつながらずに無駄になってしまう危険があります。そのため、一緒に自分の学習のあり方をもう一度一緒に見直していきましょう。

 このように、塾通いをしている子なら誰もがやっている(塾によってはやらされている)はずの漢字と語句の学習ですが、国語の出来る子とそうでない子ではその学習のあり方に根本的な違いがあります。

 「テキスト『で』学習する」のが国語の出来る子で、「テキスト『を』学習する」のがそうでない子だというのが、私の実感です。

 「え?どういうこと??何言ってるか分からないよ!」

 という方のために、次回はそこから、語彙力マスターへの道をお教えしましょう。