算数のセンスを超える2つの習慣

2023年4月15日

 中学受験の花形である算数。得意不得意が分かれやすいなかで、合格に一歩近づくために必要なものとは何でしょうか。

 算数の成績が伸び悩んでいる受験生に向けて、算数上位生が実践しているコツをお伝えします。それは、「暗算」と「検算」です。

 私が知る限り、算数が苦手な子は総じてこの2つが習慣化されていません。問題用紙の余白いっぱいに筆算を書きなぐり、答えらしき数が出たら二度と振り返らない。筆算はメリットが少ないばかりかミスの温床にもなります。遠回りで不正確な計算力では伸びるものも伸びません。

 一方、算数が得意な子は、問題文を読みながら暗算しているので、読み終えるのとほぼ同時に答えが出ます。暗算に熟達している人は複雑な計算を頭の中で簡単に考えられるような工夫をしますし、「7×13=91」のような何度も登場する計算は覚えてしまっています。結果、筆算するよりも速くミスも少ないのです。そして、彼らは思考の整理のために問題用紙の余白を使います。

 もう一つの違いは、一問ごとに検算することです。努力を重ねてきた人ほど悔しい思いもしているので、ミスは必ず起こるものと強く自分を戒めています。「最後の5分は見直しの時間」などと言われることがありますが、私は賛同しかねます。大半の子どもはそのような時間管理が苦手ですし、一度頭から離れてしまった問題を再び考えるのは時間の無駄だからです。

 暗算や検算は決して特別な能力によるものではなく、日々の積み重ねと心がけ次第で大きく進歩します。算数上位生の思考回路を知り、今までの勉強に変革を起こしましょう。

(2023年4月浦安新聞掲載)